熱中症注意情報の危険性を再チェックしてみましょう。
春から秋にかけて毎日のように気象庁や日本気象協会から発信される”熱中症情報”。
「あなたは何段階あるかご存知ですか?」
- ほぼ安全
- 注意
- 警戒
- 厳重警戒
- 危険
実はこのように5段階に分かれて発表されます。
それでは少し質問の聞き方を変えてみます。
「あなたはどの段階から 『あぶないかも』 と感じますか?」
“危険”や”厳重警戒”となって初めて気にされる方も多いと思います。
しかしながら、”注意”でも状況によっては意識をしなければとても危険だといいます。
なぜでしょう?
それは、熱中症情報は外気温ではなく暑さ指数から判断されているからです。
熱中症情報の基となる暑さ指数(WBGT:℃)とは
気温 湿度 輻射熱 (風) を取り入れた温度の指標です。
中でも大きな割合を占めるのが湿度
湿度が高い場所では汗が蒸発しにくいので、身体の熱を外に逃がす力が低くなり
熱中症になりやすくなってしまいます。
それでは運動している時となると、どうでしょうか?
「WBGT21℃以上(注意)では、熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。」とされ、熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給することを推奨されています。
運動の最中では体内の熱量が上昇しますので、湿度などの環境によっては外気温25度以下でも十分に“熱中症”や、そこからの“死亡事故”になり得るということを覚えておきましょう。
湿度が重要とは書きましたが、日陰・木陰の場所をえらぶ。輻射熱の少ない場所や風通しの良い場所を選ぶことで熱中症リスクはずい分下がります。
場所の変更が難しい場合は、風通しの良い大きな帽子をかぶりましょう。そうすることで日陰下にいるのと同じ状況となって熱中症対策となります。
こういった対策グッズもたくさん販売されていますので、機会があれば今後紹介していきたいと思います。
参考資料)
日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.3」
日本体育協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」
熱中症予防運動指針まとめ
1.危険 気温35度以上(WBGT31℃以上)
「運動は原則中止」
WBGT31℃以上では、特別の場合以外は運動 を中止する。特に子どもの場合には中止すべき。
2.厳重警戒 気温31~35℃(WBGT28~31℃)
「激しい運動は中止」
WBGT28℃以上では、熱中症の危険性が高い ので、激しい運動や持久走など体温が上昇しや すい運動は避ける。運動する場合には、頻繁に 休息をとり水分・塩分の補給を行う。体力の低 い人、暑さになれていない人は運動中止。
3.警戒 気温28~31℃(WBGT25~28℃)
「積極的に休息」
WBGT25℃以上では、熱中症の危険が増すの で、積極的に休息をとり適宜、水分・塩分を補給 する。激しい運動では、30分おきくらいに休息 をとる。
4.注意 気温24~28℃(WBGT21~25℃)
「積極的に水分補給」
WBGT21℃以上では、熱中症による死亡事故 が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意 するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩 分を補給する。
5.ほぼ安全 気温24℃以下(WBGT21℃以下)
「適宜水分補給」
WBGT21℃未満では、通常は熱中症の危険は 小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要である。 市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が 発生するので注意。